【クローズアップ楽市】Vol16 アークライト・ゲーム賞2024優秀賞!ミスボドゲームズ秋山さんの真面目な話

2026年3月1日 (日)
【クローズアップ楽市】Vol16 アークライト・ゲーム賞2024優秀賞!ミスボドゲームズ秋山さんの真面目な話

楽市に関わる人々にフォーカスする連載記事

<クローズアップ楽市>

16人目のインタビューは、 ミスボドゲームズ秋山真琴さんです。

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今回は、ミステリーやジャーナリングゲーム、そして独創的なメカニクスでファンの心を掴んで離さない「ミスボドゲームズ」の秋山真琴さんにお話を伺いました。名古屋への深い愛、そして「創作とは何か」というお話まで、濃密なインタビューをどうぞ!

ミスボドゲームズ

「既存の枠組みを少しだけ拡張する、唯一無二の体験を」

ミスボドゲームズは、秋山真琴氏が主宰するボードゲーム制作サークルです。 特筆すべきは、その高い作家性と評価の高さ。協力型推理ゲーム『ミステリーデュオ』での鮮烈なデビュー後、ジャーナリングゲーム『終わりから始まるクロニクル』でアークライト・ゲーム賞2024 優秀賞を受賞。同作は『このエピローグは変わらない』と改題され商品化が決定するなど、今もっとも勢いのあるサークルの一つです。

「自分が作らなければ生まれなかったオリジナリティ」を追求する姿勢は、鋭い感性を持つボードゲーマーたちから絶大な信頼を寄せられています。

ミスボドゲームズ × 名古屋ボードゲーム楽市

── 名古屋は「第2の故郷」

楽市: 秋山さん、本日はよろしくお願いします!まずは、秋山さんにとっての「名古屋」という街の印象から聞かせてください。

ミスボドゲームズ 秋山(以下、秋山): よろしくお願いします。名古屋は仕事の都合で3年ほど住んでいたのですが、今でもとても気に入っていて、自分の中では「第2の故郷」だと思っているんです。

楽市: おお、第2の故郷!それは嬉しいですね。当時はどのあたりに出没されていたんですか?

秋山: 御器所に住んでいたのですが、自転車に乗って黒川の「バネスト」さんまで走ったり、栄や大須のゲーム会にもよく参加しました。最近は上杉さんやみさき工房さんだけでなく、明地宙さんのような若い才能が現れたり、文喫 栄でイベントが開催されたりと、名古屋のボードゲームシーンは本当に盛り上がっているなと感じますね。

楽市: まさに「熱い」街ですよね。今回の楽市参加、楽しみにされていることは?

秋山: 今回は3泊4日の予定なので、久しぶりに行きつけのバーに行ったり、新しくできたお店を開拓したいなと思っています!

── 楽市独自の「人流」が生むライブ感

楽市: 昨年に引き続き2回目のご出展ですが、楽市に参加して感じた「他のイベントとの違い」はありますか?

秋山: 入場時間を細かく区切っているのが非常にオリジナリティがあるなと感じました。他のイベントだと最初にお客さんが一気に来て後は減っていく……という傾向がありますが、楽市は最初から最後まで人流がずっと途切れなかったのが印象的です。前日のジェリカフェでのイベントや、終了後のボドトーークも楽しかったですね。

── 輝かしい実績と「思い出の作品」

楽市: 秋山さんはこれまで数々の話題作をリリースされていますよね。これまでの活動を振り返って、特に思い出深い作品を教えてください。

秋山: 最初はゲームマーケット2022秋に出展した、協力型推理の『ミステリーデュオ』でした。その後、ジャーナリングゲームの『終わりから始まるクロニクル』をリリースしたのですが、これがアークライト・ゲーム賞2024で優秀賞をいただき、『このエピローグは変わらない』として商品化が決まったのは大きな出来事でしたね。

楽市: 受賞、本当におめでとうございます!

秋山:『10年後いつものカフェで』もフォアシュピセレクションに選出いただいたり、前回のゲムマでは200部が完売したりと、ありがたい評価をいただいています。

── 楽市新作『マスカレイドトリックパーティ』の全貌

楽市: さて、今回の楽市での「最推し」作品について教えてください!

秋山: 印刷が間に合うか少しハラハラしているのですが(笑)、新作として『マスカレイドトリックパーティ』を発表したいと考えています。楽市フレッシュドラゴン大賞にも応募しています!

楽市: トリックテイキングと推理の組み合わせ……!どんな内容なんでしょう?

秋山: ランダムに決まったビッドを成功させつつ、他のプレイヤーが「どのビッドの達成を目指しているか」を推理するゲームです。トリックテイキングの華である「ビッド」って、初心者には少し難しいんですよね。その難しさを緩和しつつ、面白さに転化できた自負があります。上級者はもちろん、トリテ初心者の方にもぜひ手に取っていただきたいです。

── 衝撃を受けた一作『惨劇RoopeR』

楽市: 秋山さんが「最高、あるいは衝撃的」だと思っている作品を一つ挙げるなら何ですか?

秋山: BakaFirePartyさんの『惨劇RoopeR』ですね。

楽市: 名作ですね。どのあたりに「最高」を感じましたか?

秋山: 新しいメカニクスは日々発明されていますが、このシステムは「BakaFireさんがボードゲームデザインを志さなければ、誰も発明し得なかったのではないか」と想像してしまうほど独創的です。まさに革命でした。

── 「創作とは、枠組みを広げる活動である」

楽市: 秋山さんの創作活動の根底にあるものは何でしょうか?

秋山: 学生時代の教授の言葉に「卒論とは、学問の枠組みを広げる活動だ」というものがありました。先行研究を尊重した上で、自分ならではの視点でその分野を少しだけ拡張する行為。ボードゲーム創作もそれに近いと感じています。

楽市: 既存の枠組みに収まらない、秋山さんだけのオリジナリティ。

秋山: そうですね。私が作らなければ生まれなかったであろう何かを形にすることに、一番の楽しさを覚えます。同人ゲームの魅力は、売上至上主義ではない「先鋭さ」にあると思うんです。減点方式ではなく、一点突破の「加点方式」で楽しめるのが個人制作の醍醐味ですよね。

── 2026年、ボードゲームの未来

楽市: 最近のボドゲ・アナログゲーム界隈の変化について、思うことはありますか?

秋山: 2025年は「モキュメンタリー元年」だったと言えるでしょう。2026年の今年は、環境ストーリーテリングのような空間的感覚に訴えかける概念が、どう机上のボードゲームに輸入されてくるかが楽しみです。

── 楽市を訪れる方へのアドバイス

楽市: 最後に、イベントに初めて来る方や、楽しむ秘訣を知りたい方へメッセージをお願いします!

秋山: 「無理に楽しもうとしなくて大丈夫ですよ」とお伝えしたいです。

楽市: おお、意外とリラックスしたアドバイスですね。

秋山: 何かを発見しなきゃ、と感じなきゃ、と気負う必要はありません。ゲームは大変な日常を一瞬だけ忘れさせてくれる「熱中の仕掛け」です。短い時間でも熱中して、楽しい時間を過ごしてもらえれば、制作者としてはそれだけで報われます。

楽市: 素敵です。具体的な準備としては何かありますか?

秋山: 事前に使う金額を決めておくといいかもしれませんね。5,000円とか10,000円とか決めて、その範囲で面白そうなものを探す。子供の頃、100円を握りしめて駄菓子屋に行ったようなワクワク感を、ぜひ楽しんでください!

楽市: 目標は「年に2作の発表」とのこと、これからもミスボドゲームズさんの挑戦を応援しています。秋山さん、ありがとうございました!