
楽市エルダードラゴン大賞2025 審査結果
楽市エルダードラゴン大賞 2025 結果発表

※2019年以前に発売された「バズりきらなかった」作品を
いまこそ再評価しようという世界初のリメンバーな企画です。
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………大賞は、こちらの作品になりました!


………準大賞は、こちらの作品になりました!


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大賞 大どろうぼうとズルい騎士(COLON ARC)
映えある大賞に輝いたのは、2016年に登場したこの作品です!
手札や場札を駆使し、自分が有利になるようカードを配置するハンドマネージメントゲーム。同じセットのカードを全員が持ちますが、シャッフルしてランダムに引くため、使えるカードが異なる点が特徴です。相手の場札を見ながら推理を働かせ、最善のタイミングでカードを置く判断力が求められます。
このゲームの醍醐味は、度胸を試される場面に一喜一憂する瞬間。一方で、引き運が悪いと何もできずにラウンドを終えてしまうリスクも。ただ、それを引き運として割り切れるなら、大きな問題には感じないでしょう。
ルールが簡単でサクサク遊べる軽めのゲームなので、繰り返しプレイしたくなる魅力があります。「ブタコマ」のスパイスも利いていて、一発逆転要素が良いアクセントです。
発売から5年以上経っていますが、遊んでみると全く古さを感じさせず、むしろ新鮮な気持ちで楽しめます。この機会に再評価されてほしい作品です! 楽市事務局はその楽しさに虜になってしまいました!
是非、会場でお手にお取りください!
準大賞 八人の魔術師(ゲームNOWA)
惜しくも準大賞となりますが、楽市フレッシュドラゴン大賞2024大賞受賞サークルによる2人専用デュエル形式カードゲームが審査員の評価を集めました。
「八人の魔術師」は、一度発表されたものをセルフリメイクした作品で、アートワークの変更や拡張パックの収録、さらにサークル5周年記念として発表された意欲作です。
日本国内外でこのジャンルは多く発表されているため、注目を集め続けるのは非常に難しいと言えますが、このゲームは非常に完成度が高く、特にTCG(トレーディングカードゲーム)ファンには満足できる内容です。運と実力のバランスが取れていて、クオリティが高いだけに、何かがきっかけで再評価されるのではないかと感じてしまいました!
対戦カードゲーム好きのみならず、あらゆるゲームファンのみなさん、一度お試しいただけませんでしょうか?
会場でぜひ、現物をお手に取ってみてください!
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エントリー頂いた他の作品も、アツく、アツーーーーーく紹介させてください!
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はちゅパーク(ぶれけけゲームズ)
タイルやチップを配置して得点を稼ぐゲームで、遊ぶ人それぞれの個性が「パーク」に現れるのが楽しいところ。ランダムに配られるタイルのおかげで、毎回新しい「オリジナルはちゅパーク」が生まれるのも魅力です。
配置を工夫しながらパーク建設を進めることでゲームの目的が明確に感じられる作品です。同じサークルの他のゲームがファミリー向けに移行していく中で、「はちゅパーク」はじっくり考えながら楽しめるゲーマー向けの作品として貴重な位置にあります。
得点方法が少し複雑なため、難易度を調整できるライトルールなどがあれば、さらに幅広い層で楽しめる可能性を感じました!
ピタっとピクチャ(A.I.Lab.遊)
お絵かきゲームのジャンルに協力や推理要素を加え、独特の個性を放つゲームです。
分割されたマグネットに絵を描いていくのですが、前の人が描いた部分は外れてしまうため、それを推測しながら描くのが混乱しつつも面白い!
一見無理なように思えるルールにも関わらず......
協力プレイとしての要素がしっかり組み込まれている点はポイントが高かったです!
水性ペンで書きこんだコンポーネントを動かすときに、
触り所を間違えると少し薄くなってしまうのはご愛敬!!
……とにかく楽しいので、多くの人に認知されていけばもっと盛り上がるのでは!?
「お絵描きゲーム好き」のみなさんには、絶対お試しいただきたい作品です。
ヘッジホッグジレンマ(鍋野企画)
「バッティング」と呼ばれる要素に特化した作品です。
同じカードを選ぶと得点を逃すというシンプルな仕組みながら、それが盛り上がる要因にもなっています!
ゲーム進行は非常にスピーディーで、1回遊んだらもう一回と続けたくなる手軽さが魅力。
手札の運次第では何もできないまま終わる可能性もありましたが、何度も繰り返し遊ぶことを想定するのであれば問題はないと思います。
いずれにしても、リプレイ率の高い、小粒でも身の詰まった良作です!!
ABCダンジョン(HEY!)
重厚感のあるパッケージが目を引き、箱を開けた時のぎっしり詰まったコンポーネントはワクワクさせられるものがあります!
ゲーム内容はダンジョン探索とタイル配置のエリアマジョリティがテーマ。徐々にタイルが埋まっていく様子は壮観そのものです。
ゲームシステムは熟考を促す中量級の設計で、1手1手をじっくり考えたくなる仕様です。
初見時にはルールを把握するまでに多少の時間を要すると感じることもあるため、もしもマニュアルやサマリー等を補足していただければ、さらに遊びやすくなり多くの人に再評価される可能性を十分に感じるものでした!
DEADLY RING GAME(ごみ国際)
スピード感溢れるバトルロワイヤルが特徴で、脱落要素と直接攻撃が組み合わさった手軽な作品です。
一見協力ゲームのように感じますが、勝つためにはタイミングがカギを握ります。
カード同士の相性や戦略的な深みがもっと引き出されれば、さらに面白い作品になる可能性を感じます。
アイデアが詰まった作品だけに、伸びしろを感じる部分がありました!
一度お試しください!!
デコピンスペースクラフト(HLKT工房)
宇宙をテーマにしたアクションゲームで、コマを弾いて宇宙建設を進めていく内容です!
テーマがワクワクするのはもちろんですが、慎重さを求められるゲーム性が独特の緊張感を生んでいます!
もしも、、、もしも派手さやパーティーゲームとしての要素がもう少し加わると、正当な評価がさらに高まる可能性を感じました。とはいえ、おはじき的なゲームはただただ楽しいですね!
慶長五年関ヶ原(TUC GAME)
歴史的な「関ヶ原の戦い」をテーマにしたボードゲームで、プレイヤーが東軍・西軍に分かれ、40人の実在武将をどのように配置するかが勝利のカギとなります。
木を使ったコンポーネントや陣幕は、まるで本陣で作戦会議をしているような雰囲気を醸し出しています!
戦略性と記憶力が求められる一方で、ルール的にはプレイヤーを選ぶ可能性があります。とはいえ、コンセプトは非常に魅力的で、日本の歴史好きには刺さる作品と言えましょう! 歴史好きはぜひ、一度手に取ってみてください!
全体講評
大変バラエティに富んだ9作品にエントリーしていただきました。どれもが強力な個性を持つ、エルダードラゴン大賞の名にふさわしい作品ばかりです。
大賞とさせていただいたのは「大どろうぼうとズルい騎士」でしたが、最後まで「八人の魔術師」とどちらを選ばせて頂くか、悩みました。どちらも完成度が高く、今の作品としても全く遜色がありません。
「大どろうぼうとズルい騎士」は、誰がいつ遊んでも楽しめる普遍性があり、つい「もう一度」と言ってしますリプレイ性が高く評価されました。
「八人の魔術師」はゲームとしての高い完成度が際立っており、デザイナーの実力の高さをこれでもかと見せつけてくれました。
他の7作品も、それぞれがウリを持っており、そのジャンルが好きなプレイヤーには刺さっていくものと思われます。
本当に、ご応募ありがとうございました!
審査員一同、改めて面白い作品に再見できたことをとてもうれしく思っています。
「フレッシュドラゴン大賞」が新作ボードゲームを対象としているのに対し、「エルダードラゴン大賞」は旧作の中から素晴らしい作品を見つけ出すことを目指しました。
2014年にはすでに世界で1000以上の新作ボードゲームが発売されていたと言われており、毎年それだけのゲームが「旧作」になっている現状です。
特に2019年時点で、新作が1000以上発売されていたと想像すると、新作が注目を浴びるのがいかに難しいかが分かります。
今回の「エルダードラゴン大賞」では、そんな中で埋もれてしまった旧作たちをもう一度輝かせるきっかけになることを期待していました。その中で、今プレイしても楽しく、非常に面白いものが多かったです。
ぜひ、会場でエルダードラゴンたちを見かけたらチェックしてください!
面白い作品は長く長く、愛していきたいと思う次第であります!
名古屋ボードゲーム楽市事務局・エルダードラゴン大賞審査員一同